「働くこと」の意味は変わっている。「働き方」をどうするかではなく、「生き方」をどうするか

これからは、「人生100年時代」といわれ、1つの企業が続く期間よりも、個人の人生の方が長いようになります。

「終身雇用」から「終身労働」へ

1つの会社・組織に生涯勤めあげる終身雇用制度は、100年生きるとされる個人の時代には根底から通用しなくなります。

定年年齢も徐々に引き上げられており、さらに年金受給額も年々低下しています。これから長く生きる私たちは、一社に勤める”終身雇用”ではなく、数社でも良いので”一生涯働く”ことを意識しておく必要があります。

つまり、「終身雇用」ではなく、「終身労働」を意識する必要があるのです。

働くこと=収入を得ること?

「終身労働」と聞くとなにか嫌な感じがする人も多いかもしれません。「死ぬまで働くの?!」と思う方もいると思います。しかし、私は全くそうは思いませんし、できれば「終身労働」をしたいと思っているくらいです。

以前は「ご飯を食べるために働く」という価値観がありましたが、現在は一概にそうは言えません。それほど個人に大した収入がなくても、生活に困ることは少なくなっています。

既婚の方であれば、今は共働きが認められない世の中でもありませんし、独身の方でも100円均一でそれなりの生活必需品は手に入ります。

「低欲望化時代」と呼ばれるほど、若い人たちには物欲がなくなり、

  • ミニマリスト
  • 断捨離
  • シェアリングエコノミー

の概念が浸透してきています。

例えば、昔であれば使わなくなったものを気軽に販売したいと思っても、数人で場所を借りてフリーマーケットを開催したり、それなりの手間と時間が必要でした。

しかし今では、「メルカリ」アプリをダウンロードすれば、自宅にいながらスマホ1台で気軽に要らないものを販売することが可能になっています。これも、テクノロジーの進化とシェアリングエコノミーの概念が普及した恩恵の一例でしょう。

他にも、マーケティングやCMに魅せられて無理に高額なものを購入する「モノ消費」から、身近で幸せになって欲しい人のためや旅行や経験・体験にお金を使う「コト消費」の傾向が進んでいます。

実際、私も高額な物を買うよりも、家族で銭湯に行って、風呂上がりにニコニコしながらみんなでアイスを食べること以上の幸せはないと思っています。(笑)私の場合、すでに幸せになるために、家族で3000円もあれば十分だったりします。

「働く意味」の変遷

一方、私は普段本業で訪問リハビリで主に高齢者のお宅に訪問し、たくさんの方とお話をしていますが、「働く」という言葉の認識が違ってきていると感じます。

70歳代以上の方は、「働く」という言葉に対して、

  • 肉体労働
  • 我慢の対価として収入を得る
  • 担当の業務に勤勉

というイメージが私よりも強い印象があります。

しかし、私たち30歳代の感覚としては、「働く」とは、

  • 楽しく仲間とワイワイ、切磋琢磨する
  • 無駄な時間と労力はできるだけ減らし、その分を家庭や趣味に使いたい
  • 自己実現
  • 社会貢献

という認識が比較的強くあります。

同じ「働くこと」について話をしていても、年代が違うと「働く」という単語の認識が異なることを意識しておく方が、スムーズにコミュニケーションができると感じます。私の経験だと、高齢の方が「最近の若い人は働かない」と言った場合、「肉体労働をしていない」と解釈するのが妥当だと思われる場合がよくあります。

働くことの意味が変わり、現在では、初めから収入目的のためではなく、「自己実現のために働き、結果として収入を得る」という価値観が強くなっているのです。

働くことは生きること

いかがでしょうか?

働くことの意味を「自己実現」という意味で捉えると、「終身労働」は素晴らしい、最後まで自分の使命を全うするために有効な方法になり得るのではないでしょうか。決して苦しいイメージではありません。

この前も記事にしましたが、これからさらに遊びを仕事にする人が増えてくるでしょう。

イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、1930年頃に書いた本「孫の世代の経済的可能性」の中でこのことを予見していました。

これから100年後には、食うために働くという経済的な問題は解決され、人類は初めて、その自由になった状態をいかに使うかという問題に向き合うだろう。

働くことは生きること。

正社員や非常勤、アルバイトなどだけではなく、副業・複業など色々な働き方の選択肢が出てきており、今後さらに多様な選択肢が選べる時代になっていくでしょう。

今後は、表面の働き方の問題が重要になるのではなく、終身労働の準備として「どう生きたいのか」、それを考え続けることが、結果的にキャリアをデザインしていくことになっていくと思います。