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”障害者からみる”障害者雇用の現状

企業で障害者雇用枠で働いている方に、障害者雇用の現状について寄稿して頂きました。無理のない範囲で挑戦することの大切さが伝わってきます。

寄稿者 TAKESHIさん

プロフィール

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1993年生まれの26歳 大阪学院大学経済学部経済学科卒

私が”障害者”になるまで

今回は、「障害者からみる障害者雇用の現状」というテーマで記事を書かせて頂きました。はじめに、本文とも関係しているので、私の経歴をご紹介させて下さい。

私は、大学時代に介護職として内定を貰っていましたが、研修中に体調不良を起こし、医者に適応障害と診断され、内定を辞退しました。卒業後は地元のスーパーで3か月アルバイトをしていました。

しかし、周囲が社員として働いている事を気にしてしまい、自分も早く社員にならないといけないと思い、電車の清掃スタッフ(契約社員)として働き始めました。この仕事は、焦って就職したこともあり、長続きせずに1週間程度で離職してしまいました。

次に、「今度は絶対に失敗してはいけない!」という強い思いで工場の契約社員として働き始めました。

工場は2か月程続きましたが、仕事上の些細なミスからから急に身体に力が入らなくなり、さらには物も食べることが出来なくなってしまい、立ち上がることもできない状態が続きました。

無理をしてでも仕事に行こうとしましたが、身体に力が入らなかったので父親に向かいに来て貰い、医者を受診して「自律神経失調症」と診断されました。昔から何かの作業を行う際の不器用さ、仕事が長続きしないという傾向があったので、発達障害の検査を受けましたが、異常なしという診断を受けました。

しかし、医者から、働く上で何らかの手帳はあった方が良いのでは?という提案を頂き、精神障害者手帳3級を取得しました。

手帳取得後、障害者職業センターで職業訓練を受け、現在は某旅行会社の本部で障害者アルバイトとして働いています。本部内の郵便の振り分け、配布物や宅配物の仕分けなどをして各支店に物を送る仕事です。

そして、障害者雇用で働くことや自分自身に助言をくれた友人のおかげで、ずーっと悩んできたこと、私自身が一体なんの障害なのか?気付くことが出来ました。

現在は回復に向けて順調に人生を歩んでいます。

この記事では、同じ悩みを持つ方や障害雇用で仕事をすることについて、読んでくださった方々に役に立てる情報を書きたいと思います。

障害者からみた障害者雇用の場〜挑戦することの大切さ〜

「自分は障害があるのではないだろうか?」と一度でも悩んだことがない方は、「障害者は仕事ができない」と思ってしまう方も多いかもしれません。

しかし、実際は、障害を抱えていても出来る仕事はたくさんあります。

その理由として、私自身が障害者雇用として働き始めた頃、最初は自分自身で出来ないと決めつけて仕事をしていましたが、今ではたくさんの仕事が出来るようになったからです。

仕事を指導して下さる障害者の同僚の方が「最初から出来る、出来ないで判断するのではなく、1度やってみたら?出来なかったら私達がカバーするから。」という声を掛けて下さいました。

私はこの言葉を聞いて、「なるほど、障害を理由に最初からやらないのはなにか違うな」と感じました。

とにかく挑戦してみて出来なかったら仕方ない。出来なかった時は出来ることをやろうという気持ちで仕事をしました。

そうすると実際出来ないと思っていた仕事が、自分でもびっくりするぐらい出来るようになりました。障害者職業訓練センターに通ってなかったらこのような考えにはなっていないと思います。

ですが、実際の仕事上は「障害者だから出来ない」と遠慮して、その仕事を辞退してしまうことも多いです。

しかし、本当はやりたいと思ったことは挑戦すべきだと思います。

実際に障害がある方でも一般の方でも、社会的に大きな成果を残した人たちはたくさんいます。

例を挙げると、発達障害のある著名人には

  • 織田信長
  • 坂本龍馬
  • ビルゲイツ
  • スティーブ・ジョブズ

などの著名人がいます。

この偉人達も周りの協力があったからこそ、個性を活かし輝けたのだと思います。偉人達が輝けたように、少しの手助けがあれば、私達障害者でも輝ける場がたくさんあると私は強く信じています。

遠慮ではなく配慮が必要

具体的な仕事上の業務では、

  1. 苦手なことを減らす
  2. 得意分野の業務を増やして個々の能力を高める
  3. 指示の出し方を明確にする

など、障害者だからといって遠慮するのではなく、配慮があると活躍できる機会がたくさんあります。

もし作業の中でやりたい気持ちがあるなら、1度だけやってみて良いですか?」と気軽に言える職場なら、きっとそこは障害者の事を良く理解しようとしている職場です。

私が身近に体験したことでは、何もかも障害者に任せておけば良いという考え方や、障害者雇用を担当している人に任せきり、仕事を教えるトップの方に任せきりになってしまっている状態があります。

解決案としては1人だけに任せるのではなく、皆で協力して「13の作業は障害者に任せる、410は健常者がサポートする」のように障害者と健常者が密に関わることでより働きやすい職場になると考えています。

 

次のページでは、「障害者の職場の選び方と障害者雇用の未来」について書いていきたいと思います。

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TAKESHI

障害者手帳3級を持ち、障害者雇用枠で働く。ブロガー、ライターとしても活躍中。大阪学院大学経済学部経済学科卒。

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