「ダイバーシティ&インクルージョン」が企業にもたらす10のメリット
目次
今回は、ウーバーでGlobal Head of Inclusive Engagementとして働くバーナルド・コールマン氏による”Diversity + Inclusion + Equity(ダイバーシティ+インクルージョン+エクイティ)”に関する講演についてです。
ダイバーシティ(多様性)&※インクルージョン(含包)のメリットについてご紹介します。
※インクルージョン=従業員一人ひとりの違いを価値あるものとして高く評価し、組織全体で包み込むように迎え入れ、個々の能力やスキル、経験、強みを最大限に活かすことのできる環境を提供すること。
▶️前回の記事はこちら【逆境を強みに変える!レジリエンスを鍛える5つの方法】
寄稿者 karenさん
プロフィール
日本の高校を卒業後アメリカの大学に進学。3年・ダブルメジャーで卒業後、日本に帰国。半年のフリーター生活を経て日本企業に就職。日本をもうちょっと住みやすい国にしたい。
ブログ:「ふぃ」を大切に
数字で見る日本の現状「ジェンダーギャップ」
2018年の世界経済フォーラムの発表によると、日本の※ジェンダーギャップ指数は149カ国中110位という結果でした。アメリカの51位と比べるとかなり低いことが分かりますね。※ジェンダーギャップ指数=世界の各国の男女間の不均衡を示す指標
しかし、ジェンダーに限らず肌の色や人種等といったダイバーシティに関する取組は、アメリカでもまだまだ課題として挙げられるとアメリカで働くコールマン氏はコメントしていました。
では、アメリカと日本の順位の差は何なのでしょうか。
日本独自の問題
アメリカに比べて、日本の多様性への受け入れが遅れている大きな理由として、日本は98.5%が同一民族の単一民族国家であることをコールマン氏は上げています。アメリカは元々様々な人種の人々が集う国(人種のサラダボウルと言われています。)であるため、多様性の受け入れが国の発展には不可欠でした。
日本は現在少子高齢化と人口減少に伴う人手不足も問題となっており、これらの問題を解決するには、より多くの人々が労働に参加できる環境づくりが必須となっています。
そのためには、「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みは欠かせません。
日本のような単一民族国家が、多様性を受け入れにくい傾向がある理由としては、”implicit bias(潜在意識)”の存在があります。この潜在意識とは、いわゆる”無意識のうちに練りこまれている偏見”のことで、これは6歳頃から身についてしまうと考えられています。「女性は理系よりも文系が向いている」や「○○人は時間にルーズ」などといった偏見です。自分の生まれ育った環境や知識を前提とした思い込みは誰でも持っていますよね。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進には、こういった無意識な偏見があることを理解し、意識的に少なくしていく取り組みが必要なのです。
ダイバーシティ&インクルージョンはセット
日本企業の多くは「ダイバーシティ(多様性)」にフォーカスしていますが、本当にフォーカスしないといけないのは「ダイバーシティ&インクルージョン(包括)」であるとコールマン氏は語っていました。
インクルージョンとは、その組織に属していると感じることと、その組織から価値ある個性を持っていると認識されているという2つの意味を含みます。
例え、企業が多様性を推進して様々な人を採用していても、インクルージョンが達成されていなければ個人がその企業では居心地の悪さを感じるでしょうし、企業もその多様性を活かせているとはいえません。
ダイバーシティ&インクルージョンがもたらす10のメリット
性別・年齢・人種・宗教など様々な違いを持った人々が集まり、「ダイバーシティ&インクルージョン」が実現すると、生まれるメリットが10個あると言われています。
【ダイバーシティ&インクルージョンのもたらす10のメリット】
- 物事の見方や視点が多様化する
- 問題解決がはやく進む
- より良い意思決定が行われる
- 新しいイノベーションが増える
- クリエイティブなアイディアや取組が増える
- 会社の評判が上がる
- 従業員の離職が減る
- 採用率が上がる
- 従業員エンゲージメントが高まる
- 売上・利益が増える
異なった特徴やバックグラウンドを持った人たちはみな、異なったスキルや経験を持っているため、企業に新しいアイディアや変化を持ち込んでくれます。これが最終的には企業の売上に関連してくるためダイバーシティ&インクルージョンの推進は必要不可欠なのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回のこの講演は、企業におけるダイバーシティ&インクルージョンの実現は日本が島国かつ単一民族国家であるがゆえ、ハードルの高さを感じざるを得ませんが、今後の日本の発展に必要な取り組みであると思いました。
以上が講演での内容になります。最後までお読みいただきありがとうございました!
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