1. HOME
  2. ブログ
  3. ヒトは「弱い」ことが「強み」になる〜繋がることの大切さ〜

ヒトは「弱い」ことが「強み」になる〜繋がることの大切さ〜

人類は約400万年前ほどから誕生したと一応されていますが、なぜこんなに生物として弱い人類が生き残れたのでしょう?その理由を考えると、ヒトにとって本当に大切なものはなにか?がはっきりと見えてきます。

生物としてのヒト

生物としてのヒトはすごく脆弱な生き物です。

強力な牙も爪もなく、体を守る甲羅も強い骨もありません。草が擦れただけで肌から出血するし、不衛生であればすぐに感染症を起こして死んでしまいます。

しかし、ヒトは、今では虎や百獣の王とも呼ばれるライオンをも動物園で完全に飼い慣らし、生物の頂点に立って地球上を支配しています。

なぜ、人類は生物として圧倒的に虎やライオンより弱いのに、ここまで発展することができたのでしょうか。

脳の発達のおかげ?

普通に考えると”他の生物よりも知能が優れていたからだろう”と考える方も多いと思います。しかし、ではなぜ知能が発達したのでしょうか。

確かに、知能は他の生物よりも優れていると思いますが、それならば虎やライオンが進化の過程で高度な知能を獲得しなかったのはなぜでしょうか?

肉体的に屈強な彼らが明晰な頭脳を手に入れたとしたら、人類は到底かないません。しかし、そうはなりませんでした。

なぜでしょうか?

弱いことが強みになった

ヒトは上述のように弱い生物でした。一方で周りは、隠れる能力を持っていたり、激しく戦う体力や武器を持っていたり、屈強な生物ばかりです。

 

ヒトは考えました。

生き残るために必死で(文字通り”必ず死ぬ”つもりで)考えました。

やがて、”群れる”ということを発明します。そうすると、他の生物も真似をして群れはじめました。ヒトは群れ対群れの戦いでは個体の力が弱いため、総合力で他の群れに負けてしまいます。

弱い個体のパフォーマンスをカバーするため、群れの中でより連携を強くする必要が出てきました。

 

そこで、さらにヒトは考えました。

 

やがてヒトは新しい発明をします。

”言葉”です。

言葉を話し、個体同士でコミュニケーションを密に取ることで、チームプレイで他の生物と戦うようになります。

言葉を使うことで、頭を酷使し、脳が発達します。他の個体を上手く動かして自分と群れの仲間を守るために、的確に状況を把握し、言葉で指示を出さなければならず、さらに激しく頭を使うようになります。

こうやってどんどん知能が発達していきます。

やがて群れの単位は村となり、さらに大きく”社会”へと拡大していきます。

つまり、ヒトは生物的に弱いことを受け入れ、それを克服するために群れ、言葉を発明しました。だから、脳を激しく使うようになり、知能が発達したのです。

知能が発達していたから生き残ったのではなく、”弱いから群れて言葉を発明し、結果的に知能が発達して生き残った”のです。

弱さが強さの秘訣だったということです。

小野田寛郎さんの言葉「ヒトは一人では生きていけないと悟った」

終戦後約30年間もフィリピンのジャングルで社会から隔離され、一人で隠れて生きていた小野田寛郎さんは、長いジャングル生活の中で、「ヒトは一人で生きていけないと悟った」そうです。

その通り、歴史の中でもヒトは群れを作り、言葉を使ってコミュニケーションを取ることで社会を形成し、弱みを補い合うことで繁栄し、ずっと生活してきました。

そして、それが他の生物に対抗する、ヒトにとって唯一強力な”武器”となりました。

 

現代に生きる私たちも全く同じです。ヒトは一人では生きていけないのです。

暇があったらSNSを見てしまう人も多いと思います。それは決して悪いことではなく、ヒトの本能深くに刻まれたDNAが”ヒトと繋がる”ことを求めているからです。

ヒトとの繋がりや関係性、人間関係を大切に思うのは当然のことです。否定する必要はありません。

まとめ

もし、あなたが「弱い自分が嫌いだ」とか「強くならなければ」と思っているとしたら、それは少し無理があるのかもしれません。なぜなら、ヒトは地球上に誕生して以来、ずっと生物的には弱者であり、脆い生き物だったのですから。今から屈強なライオンになることはできません。

それよりも、すでに約400万年もの間、ずーっと先輩方がそうしてきたように、あなたの弱みを快く受け入れ、あなたと同じく弱いヒトと繋がり、補い合う関係性を築き、頭を使ってコミュニケーションを駆使し”あなたの社会”を創りましょう。

そして、形成された社会の中で、仲間のために役立つことを積極的に行い、一生懸命他者を助けましょう。

そうすれば結果的に、”あなたの社会”が強くなり、あなたはその”社会と一緒に”強くなることができます。

これは歴史が証明している事実であり、疑う余地すらないことですし、ヒトはそうやって実際に約400万年生き残ってきたのですから再現性は100%です。

もちろんあなたにも、誰にでもできることです。

もし、あなたが弱くて弱点を持っているのなら、すごくラッキなーことなのです。あなたは強くなることができます。「弱さは強さの秘訣」なのですから。

The following two tabs change content below.
生き方専門家 西野 英行
ポジティブ心理学実践インストラクター/理学療法士/ブロガー。本業をしながら、個人で多方面に活動する「セミフリーランス」という新しい働き方を実践中。著書「100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方」

関連記事