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『今日の常識は明日の非常識』 女性消化器外科医 河野 恵美子医師インタビュー③

女性消化器外科医 河野恵美子医師インタビューの3記事目は、所属されている会社で『採血静注練習キット sensitiv』を開発・販売し、社内起業された野見山悟(のみやま さとる)さんとの対談記事です。

実際にお二人が、これまで経験されてきた貴重なお話を伺いました。

・インタビューさせて頂いた方

河野先生

  高槻赤十字病院 消化器外科 河野恵美子医師

※前回のインタビュー記事はこちら🔽

「女性であることはハンデではなく、アドバンテージ」女性消化器外科医 河野恵美子先生インタビュー①

・「誰でも仕事と家庭が両立できる環境を作りたい」女性消化器外科医 河野 恵美子医師インタビュー②

[sen]

苦労はいつか役に立つ

野見山さん:わたくしどもは採血静注練習キット「sensitiv」を販売しております。

看護師向けの採血静注練習キットは、少し前はかなり高額(20万円以上)で、一回の練習に機材の交換などで40分ほど手間が掛かるようなものが多く、なかなか普及しなかったんです。

社会的にも※潜在看護師の問題(※育児や介護などの理由で離職し、働いていない看護師。厚生労働省の推計では約71万人いるとされている。ブランクのある看護師が職場復帰するにあたり、採血静注練習キットの果たす役割は大きい。)もある中、もっと採血の練習が簡単にできるようにと、弊社で新規事業部を立ち上げ、低価格・高品質の採血静注練習キットを開発・販売し始めました。

現在、このキットの強みを活かし、社会貢献事業として、潜在看護師の技術演習の場づくりを広めています。

採血キット

※野見山さんが開発販売されている採血静注練習キット:http://www.sensitiv.jp/

製品が完成し、採血静脈練習キットの営業をしているときは、今までにない画期的な商品だったので、まず製品の特性をきちんと理解して頂く事からスタートしました。

しかし、初めの頃は話すら聞いてもらえなかったり、それは散々な思いをしました。(笑)いきなり電話を切られるようなことも日常茶飯事です。でも、先生がおっしゃる通り、挫けずに続けていると、徐々にお話を聞いて頂けるようになりました。

私は「この商品を社会に普及させることが社会貢献になる」という信念を持って活動を続けて参りました。

自身の経験からも、挫けずに、信念を持って続けていれば絶対にいつかチャンスが来ると思います。若い年代の方もそう思って挫けないで欲しいと思います。

 

河野医師:本当にそうですよね。

業務中、よく若い看護師から採血が取れないと連絡があります。私は何回トライしましたか?といつも聞きます。私が責任を取るので、針を刺す前にちゃんと血管を確認して、冷静にもう一度だけトライしてみなさいと伝えます。そうすると不思議なことに皆さん1回で成功します(笑)。

 

野見山さん:少し前は、当時の採血静注練習キット品質のせいもあるのか、看護師は場数を踏んで患者さんに直接採血の練習させて頂くという認識が少なからずあったように思います。しかし、今では、日本看護師協会の方針でも謳っていますが、キットなどを使って十分練習してから臨床の本番に臨むことが常識となっています。

当時の当たり前を当たり前と思わなかったから、この商品を開発・販売するに至りましたし、当たり前だった常識は気付かないうちに変わるものなんですよね。

医療機器関連の新商品の発表会に参加した際も、自分がどんな思いでこの商品を開発し、販売しているか、そして、逆境に挫けずどれだけ一生懸命営業をしてきたか、それを話すことで参加者のみなさんに長時間お話を聞いて頂くことができました。

私は、苦労や努力は絶対に無駄にはならないと思うんです。実際に、苦労した経験があるからこそ、話を聞いてもらえるようになりましたし、様々な方とご縁を頂くことができました。

運は努力で引き寄せるもの

野見山さんというのも絶対にあると思うんですよ。私は運が良かったんです。色々な方とのご縁で今があります。

河野医師:運というのは、念じて、真摯に努力を重ねているからこそやってくるものだと私は思っています。野見山さんが信念を持って努力されたからこそ「僥倖」(思いがけない幸運)に巡り合えたのだと思います。

野見山さん:私も同じく「運はいつでもそばにある」と思っています。ただそれを意識できるか、気付かずにさっと流してしまうか。医師のお話をお聞きすると、努力して運を引き寄せていらっしゃるのだと感じました。

私もまだまだですが、医師のように信念を持って努力を続けていきたいと思います。貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました。

今日の常識は明日の非常識

〜【編集部より】〜

今当たり前の常識とされているものでも、少し昔には常識ではなく、むしろ非常識であったようなことも世の中には沢山あります。今ある常識がこの先もずっと常識である保証はどこにもありません。周りが言っているからと思考停止してしまわずに、野見山さんのように社会貢献という視点で改めて周りにあるもモノ・コトを眺めてみると、新しい発見があるのかもしれません。

※前回のインタビュー記事はこちら🔽

「女性であることはハンデではなく、アドバンテージ」女性消化器外科医 河野恵美子先生インタビュー①

・「誰でも仕事と家庭が両立できる環境を作りたい」女性消化器外科医 河野 恵美子医師インタビュー②

[sen]

・インタビューさせて頂いた方

河野先生

□河野恵美子(高槻赤十字病院)

消化器女性医師の活躍を応援する会ホームページAEGISWomenAssociation for Emprowerment of Women Gastrointestinal Surgeons)

河野恵美子(コウノエミコ)twitter

・対談者

野見山さん

 

□野見山悟(KCC商会 神戸支店)

潜在看護職の復職支援に活躍、採血キットを使った場づくりを行なっている。

sora×niwaラジオ」』

・『神戸都市構想「センスマ124 SMILE」』

https://www.youtube.com/watch?v=82FsMvgKWZ4&feature=youtu.be

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生き方専門家 西野 英行
ポジティブ心理学実践インストラクター/理学療法士/ブロガー。本業をしながら、個人で多方面に活動する「セミフリーランス」という新しい働き方を実践中。著書「100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方」

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